三つの働き
警戒は目標出現への準備を高め、定位は処理資源を特定の位置へ移し、実行制御は目標と妨害刺激が引き起こす反応の葛藤を解消します。各要素は個別に推定できますが、完全に独立しているわけではありません。予告によって全体が速くなる一方で、葛藤時の応答方針が変わる場合もあります。有効な位置手がかりの効果は、目標位置が完全に予測可能でない条件で初めて解釈できます。葛藤コストは不一致条件と一致条件の差であり、課題から独立した固定値ではありません。
効果を分けて測る方法
予告手がかりによる短縮、有効な位置手がかりの利益、不一致刺激による追加時間を別々に算出します。反応時間の中央値と誤答率を併記し、ごく遅い試行による歪みを避けます。時間は正答試行で計算し、見逃しと早すぎる反応も別に示します。速くなっても誤答が明確に増えれば、単純な改善とは言えません。前後比較では画面、視距離、キー配置、試行数、条件比率を揃えます。
有効な練習条件
- 手がかりあり・なし、一致・不一致の試行数を釣り合わせ、順序を無作為化して次の条件を予測しにくくします。
- 正答率が安定してから、反応期限を少しずつ短くします。誤りが増えた場合は、速度を求める前の条件へ戻します。
- 短いセッションに分け、疲労、試行順、端末の違いを記録します。複数回の基準測定で一時的な状態変動を小さくします。
結論の限界
一つの課題で葛藤コストが下がっても、あらゆる状況で注意が高まったとは限りません。結果は課題設計、言語、睡眠、端末、その時の状態に左右され、診断には使えません。差分指標は総反応時間より不安定な場合もあるため、判断は複数回測定と未練習の変形課題に基づけます。訓練課題だけが速くなったなら、規則やキーへの慣れも有力な説明です。